キスはおとなの呼吸のように【完】
駅を離れるとき、時計と電光掲示板に何度も視線を往復させた。
始発が動きだす五時すぎまでの四時間強。
大上先輩をベッドに寝かせ、わたしはソファで寝ずの番をしていればいいだろう。
一週間働いたあとで眠いけれども、ほんのすこしのしんぼうだ。

おとなになりきれない、おさないわたしの見とおしは、いつだって甘い。
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