キスはおとなの呼吸のように【完】
「袴田。始発は動いているか」
ディスプレイを確認した瞬間、おおきな声をあげベッドから飛びおりた。
「はい。駅で確認しました。もう動きだしています」
わたしのせりふをほとんどきかず、大上先輩はいそいそと帰りじたくをはじめる。
「終電からというと五時間近くも寝ていたということか。門限はとっくにすぎてしまっている。かみさんに連絡してはやく帰らなくちゃならない」
なかばパニック状態でひとりごとをわめいている。
まるで朝寝坊したこどもみたい。
もっとも大上先輩の感覚的にはまだ土曜の深夜のようだったが。
ディスプレイを確認した瞬間、おおきな声をあげベッドから飛びおりた。
「はい。駅で確認しました。もう動きだしています」
わたしのせりふをほとんどきかず、大上先輩はいそいそと帰りじたくをはじめる。
「終電からというと五時間近くも寝ていたということか。門限はとっくにすぎてしまっている。かみさんに連絡してはやく帰らなくちゃならない」
なかばパニック状態でひとりごとをわめいている。
まるで朝寝坊したこどもみたい。
もっとも大上先輩の感覚的にはまだ土曜の深夜のようだったが。