キスはおとなの呼吸のように【完】
わたしがまだまだ仕事の面ではひよっこで精神的におさないからといっても、世間から見ればおとなの女性としてあつかわれてしまうのだ。

初対面のときの兼田社長のセクハラまがいのせりふだって、そういったたぐいのものだったはずなのに、自分の認識の甘さに腹が立つ。

はやくおとなにならなきゃだめと思い続けて生きてきたけど、つくづくわたしは階段の中途半端な場所にしか立っていないんだと思い知らされた気がした。
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