キスはおとなの呼吸のように【完】
「今からですか」

早足からの急ブレーキ。
すぐうしろを歩いていたわたしは、あやうく先輩の背中に突進してしまいそうになった。

「ええ。もちろん大丈夫です。そうですね、今からですと……」

大上先輩は腕時計を確認する。
少々もったいつけていう。

「二時間後の三時にはおうかがいできますが」

どうやら兼田社長と話がまとまったらしい。
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