キスはおとなの呼吸のように【完】
駅にむかいながら、大上先輩はくわしく説明してくれた。

「カタログを見て、不明な点があったらしい。一度顔をだして説明してくれとのことだ」

またもや電話ですみそうな用件だが、大上先輩いわくそんなことではないらしい。

「不明な点があるということは、このまえわたしたカタログをひらいたということだ。そのうえで、うちの商品にすこし興味をしめした。どうでもいいことなら、多少わからない部分があっても気にはならないものだからな」

なるほど。
かなりまえむきだが、そういう考えかたもたしかにある。
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