キスはおとなの呼吸のように【完】
わたしは横目で大上先輩のはじいた数字を盗み見た。
カタログにのっている参考価格の半額ていどの数字が表示されている。
百円ショップもびっくりの、ふた桁の数字だ。

兼田社長はデスクから一歩も動かず、目だけをほそめて電卓を見た。

だからどうしたといった雰囲気。

ノーダメージ。

まるで興味がないといった印象だった。
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