キスはおとなの呼吸のように【完】
「社長。お電話ですが、どのようにいたしましょう」

ガラスのむこうのフロアから四葉屋の若い社員がたずねてきた。

横柄な兼田社長といっても、さすがに接客中にこの部屋でべつの仕事の電話をとるわけにはいかないようだ。

兼田社長は大上先輩にいう。

「もうしわけない。すこし席をはずさせていただきます」

そういってデスクを立ちあがり、フロアにむかう。
< 258 / 380 >

この作品をシェア

pagetop