キスはおとなの呼吸のように【完】
「今、ちらと拝見したのですが、付箋をつかわれているんですね。じつは、わが社のオリジナル商品で、最近すこし特別なものができあがったんです」

このまえの倉庫探しで見つけたサンプルのことだった。
大上先輩は、それを売りこもうとしている。

「ステッカーのような正方形のかたちをしていて、ハリがあって水や熱にも強い素材でできています」

大上先輩は身ぶり手ぶりで説明した。
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