キスはおとなの呼吸のように【完】
「これだけ業績のいい会社です。四葉屋のみなさまは、本当にみんな忙しそうで、時間がいくらあってもたりないと感じました。キーボードを打つ手をペンに持ちかえる時間は、かなりわずらわしいんじゃないかと思うので」

兼田社長はデスクのうえに放置した波線の描かれたポストイットをふたたび手にとる。

そしてそれをいじりはじめる。

わたしのほうを見ずに口をひらいた。
< 275 / 380 >

この作品をシェア

pagetop