キスはおとなの呼吸のように【完】
「しかし、袴田さん。貼る位置はコピー用紙のどこでもいいというわけにはいきませんよね。位置調整で時間がかかってしまったら、それこそ本末転倒だと思いますが」

さっそく穴をつつかれた。
勢いで口をひらいたので、そこまでは考えていなかった。

「ええ。まあ」

どうにも説得力のない言葉しかでない。

またやっちゃったかな。

そう思いかけたとき、兼田社長がいった。
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