キスはおとなの呼吸のように【完】
「袴田のおかげだったな、今回は。袴田シオリをあらためて見なおしたよ」

わたしはいちおう、社交辞令で頭をさげる。

「ありがとうございます。先輩がポストイットの説明を倉庫でしてくれたから、話せたんだと思います。わたしはただ必死だっただけです」

市橋商事のときのような失敗はしたくないと思っていたことは、ばつが悪いのでないしょにした。
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