キスはおとなの呼吸のように【完】
「カズトくんっ」

おおきなアクションで大上先輩が腕を引く。
その勢いで先輩の身体が一歩おおきくうしろにさがった。

凶悪な音がした。

いつかこの場所できいたものとおなじ、ガラスが割れる音だ。

ふりむくと大上先輩の靴が、勢いあまってうしろの引き戸に接触していた。
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