キスはおとなの呼吸のように【完】
「あっ……」

わたしは思わず声をあげてしまった。

立ちのみスペースの裏口のガラス戸が割れてくずれていくようすがスローモーションで見えた。

真冬の空気をさらにするどくさせたような音と風が、まるで深い呼吸でもするように立ちのみスペースに流れこんだ。
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