キスはおとなの呼吸のように【完】
「パーフェクトだ。ここで説明しているひまに営業まわりが一件できるものな。おれたち営業マンにとって一分一秒という時間は貴重だ。さっさと運んで、午後からは営業いくぞ」

「はいっ」

わたしが返事をすると大上先輩がいう。

「せーので持ちあげるぞ。せーの……」

20キロ近いダンボール箱はふたりで持っても、ずしんと両手に重さを感じる。

これが仕事の重さなのだろうか。

大上先輩が周囲を見わたし声をかける。
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