キスはおとなの呼吸のように【完】
「なんでそんなことをしたんですか。もし、本当に悪いと思っているなら、殴られて解決させようとしないで、ずっと後悔してください。もう二度とこんなことを起こさないように。そのときの記憶は発散させるんじゃなく、自分のなかのいやな思い出として、ずっと心に残しておいてください。階段のしたのほうにおきざりにして、なにかの拍子に思いだして、ずっとずっとずっと後悔してください」

言葉の途中で、感情がこみあげて目には涙があふれてきた。

大上先輩はわたしの言葉におどろいていたのか、きょとんとしたままフリーズしている。

決して涙をこぼさないように、わたしはいった。
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