キスはおとなの呼吸のように【完】
「どうせいやな思いをさせたって、不快な思いをさせたって、相手はたかがおれだよ。かっこうつけのくせに、ちっともかっこうつかない。おとなにだってなりきれない、へらへらしたただのバカなんだから」

そんなやつに気をつかうのはもったいないよ。

そのせりふは、きっとカズトなりのやさしさなのだろう。

わたしがいつも言葉をのみこんでしまうせいで、知らずしらずのうちにカズトを不安にさせてしまっていたようだ。
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