キスはおとなの呼吸のように【完】
わたしは呼吸ができなかった。
鼻から冷気をいっぱい吸いこみ肺のなかにたっぷりためたが、それを逃がすすべがない。
だけど。
カズトにすべてを見せるため、言葉の代わりに心と心をふれさせるため、わたしもおおきく口をあけ、さらに強くくちびるをおしつけて、カズトのなかにさらに深くはいっていった。
ほんのり感じる塩味は、カズトがためた涙の味か、先ほどすすった血の味かわからない。
だが、それはカズトのなかに今も流れる、熱い想いの味なんだろうとわたしは思った。
鼻から冷気をいっぱい吸いこみ肺のなかにたっぷりためたが、それを逃がすすべがない。
だけど。
カズトにすべてを見せるため、言葉の代わりに心と心をふれさせるため、わたしもおおきく口をあけ、さらに強くくちびるをおしつけて、カズトのなかにさらに深くはいっていった。
ほんのり感じる塩味は、カズトがためた涙の味か、先ほどすすった血の味かわからない。
だが、それはカズトのなかに今も流れる、熱い想いの味なんだろうとわたしは思った。