キスはおとなの呼吸のように【完】
わたしの息が続かなくなるころ、カズトはようやくくちびるからわたしの舌を解放した。

だらしないほど表におおきくのばしていたわたしの舌の先からは、透明な糸がのびてカズトのくちびるにつながり、その場にたわんだ。

おたがいに言葉はぜんぜんうまくないけど、わたしとカズトがちゃんとつながっているというひとつの証だ。
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