キスはおとなの呼吸のように【完】
「ふう」

意識せずに吐いたため息が白い。
マフラーの繊維を透過してこぼれる冬の感情。

今年ももうすぐ終わるのだ。
わたしは改札を抜けるとアパートではない場所へ歩を進めた。
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