キスはおとなの呼吸のように【完】
年の瀬もいよいよせまったクリスマスイヴ。
なんのムードもなくわたしが仕事帰りに三本酒店で一杯のんでいると、張りかえられたばかりのすりガラスがひらいた。

「カズちゃん、今日も寒いね」

ふり返ると、いつかとおなじメタボリックの常連さんがマフラーを鼻まであげてはいってくるところだった。
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