キスはおとなの呼吸のように【完】
「わたし、そんなに存在感がないほど地味ですか」

わたしがいうとカズトは笑う。

笑うだけで否定をしない。

たとえじょうだんだとしても、空気みたいな人といわれて地味に傷ついた。
もっとも、人にめいわくをかけて毎日を生きるような有害物質になるよりはいくらかましなのかもしれないが。
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