キスはおとなの呼吸のように【完】
「あいかわらず冷たいですね、シオリは。半そで一枚じゃ、凍えて風邪ひいちゃいそう」

むだ口のおおい三本酒店の店主は露出する筋肉質の腕を露骨にさする。
カズトは急にまじめになって、まっすぐわたしを見つめた。

「それはともかく」

今度はわたしをつつみこんでくれるような、おとなの視線だ。
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