キスはおとなの呼吸のように【完】
「手つだうよ。これをお店のなかに運べばいいんでしょ」

ヴァンのおしりに手をいれて、一番手まえのプラスチックケースをつかもうとした。

「重いからやめなって」

横のカズトがいう。

「平気へいき」

わたしは一升瓶がぎっしり十八本詰まったプラスチックケースを両手でつかんだ。
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