キスはおとなの呼吸のように【完】
「だからいったでしょ」

カズトが笑う。

「今日はあきびんの回収じゃなくて、仕いれにいってきたの。中身が満タンにはいってるよ」

そういいながら私の手からプラスチックケースをひょいととりあげる。
自分の手まえのプラスチックケースと二段に重ねてカズトはそれを持ちあげる。

カズトが力持ちだということはまえまえから知っていたが、さすがにこれにはおどろいた。
営業職のわたしや大上先輩にはできない芸当。
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