キスはおとなの呼吸のように【完】
「くだらないです」

わたしはさしだされたバドワイザーを受けとった。
代わりに二百十円をカズトに手わたす。
金銀財宝をもらえるどころか、カズトは律儀にビール代をわたしからも徴収する。

「シオリ。今日も一日仕事おつかれさまでした」

カズトが缶ビールを目の高さにあげる。
わたしも缶のタブをあけ、カズトの缶にこつんとぶつける。
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