キスはおとなの呼吸のように【完】
「あそこはまだ決まった取引先がない。この段階で契約にこぎつければ、うちの社にとってかなりおおきな利益になる。できたばかりの会社ならば今はまだ、むこうの会社の備品も不じゅうぶんだろうし、しばらくは大口の注文がばんばんはいるはずだ」

大上先輩は力強くそういった。

「それに会社設立後はじめて取引の関係を持った会社っていうのは、どうしても情がわいてくるものだから、今後いきなり取引先を変更するということはできないものだ。これはかなりのビッグチャンスだぞ」
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