キスはおとなの呼吸のように【完】
その会社は今でも、建てまえ上は現在進行形で交渉中ということになっているが、事実上の凍結のようなものである。
大上先輩にはめいわくをかけてしまった。

「シオリ」

カズトはおだやかな表情で、わたしの顔をのぞきこむ。
自分の眉間を指さしいった。
< 94 / 380 >

この作品をシェア

pagetop