キスはおとなの呼吸のように【完】
「しわ、よってますよ」

そんなことは、自分だってわかっている。

「でも、がんばる以外にできないから」

すべての事情を知っているカズトは、やわらかな笑いをこちらにむけた。

「そうですね」

そういって、おだやかにあいづちを打つ。

そのとき。

「おい、てめー」

とつぜん右のほうから怒声がきこえた。
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