Vrai Amour ~駿の場合~
「ずっと、好きだったの」
頬を赤く染めながら、その白い肌までもほんのりピンクに染まっていく。
「で、でも・・・」
執事とお嬢様がそんな関係になることは禁じられている。
まだ、執事でもないけど・・・・
さっちゃんには婚約者がいて、結納まで交わしているのだ。
結婚が破談になることは許されない。
そんなことになったら、僕はどう償ったらよいのだろう。
「・・・お願い」
さっちゃんは震える唇を僕の唇に重ねた。
たぶん、ファーストキスだったと思う。
「お願い、今夜しかないの」
不器用なキスを繰り返され、震える小さな肩を抱きしめたくなる。
「・・・好き・・・好き・・・」
涙をぽろぽろこぼしながら、さっちゃんは僕の背中に腕をまわした。
重なる熱い肌に、僕は耐え切れず両手をまわした。