Vrai Amour ~駿の場合~
2.別々の道
3年後、さっちゃんは約束通りモデルを引退し

帰国したあと、すぐに婚約者の昌弘様と結婚した。

1年後には長女の妃奈様が生まれ

さらに2年後には双子の美空様と美桜様が生まれた。

私は彼女が帰国する1年前から屋敷で執事として働いていて

まだ新人だった私はフットマンとして彼女を見守っていた。



彼女を初めて抱いた2年前の想いは、今もそのままで

罪を犯してしまった償いとして、執事として見守っていこうと心に誓っていた。



執事の仕事は想像していたよりも大変で、寝る時間などあまりない。

それでも、奥様への想いを秘めるには

そうして執事としての仮面を被っているほうがいい。

鍵をかけてしまいこんだ想いは決して口外してはならぬのだ。




そうして、さらに3年が経ち

その頃には私もお嬢様たちの執事として働いていた。

想いを封じ込めることに慣れ

奥様も穏やかに過ごされていることに安心していた。



そんなある日
< 12 / 30 >

この作品をシェア

pagetop