Vrai Amour ~駿の場合~
九条家は桐島家と従兄弟の関係にあたる。

亡くなった旦那様3人兄弟の末っ子で、そのお兄上のご子息が秋緒様だ。

秋緒様のご両親は残念なことに二人が同時に浮気をし、秋緒様を残して出て行ってしまったと聞いている。

そのせいか、勉強はお出来になるもののどこにも就職せず、ぶらぶらとしていることがお屋敷内でもうわさになっていた。

さらに九条家には長男夫婦がおり、その子供が九条家を継ぐことになっていて

一家の恥とも言える次男夫婦の息子を嫌っていた。

とにかく、秋緒様には安心できる場所がなかったのだ。





そんな中でも奥様は気にせず秋緒様を招きいれた。

最初は周りを気にするようにもしていたが、秋緒様が20歳を迎えたころから

それは更にオープンになっていった。

しかし、誰も何も言えない。

この数年の間に奥様のご両親は他界され、今は奥様が桐島のすべてを取り仕切っていた。
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