Vrai Amour ~駿の場合~
だけど・・・・
それを意識するよりもずっと前から、私は奥様のことをお慕いするようになってしまった。
いつからか、はっきりした時期などわからない。
いつも一緒にいた妹のような存在がいつしか恋の対象に変わる。
女性らしさを順々に身に纏い、「さっちゃん」はすでに多くの婚約候補者を集めていた。
さっちゃんが高校にあがったときには、もう私には望みがないと悟った。
なぜなら、さっちゃんが「モデル」として世界に飛び出していくことになったからだ。
そうなったらもう、私が知っている「さっちゃん」ではなくなってしまう。
そして、同じ時、私は大学を休学しイギリスの執事学校に留学することになってしまった。
さっちゃんはアメリカに
私はイギリスに
離れ離れになる運命だったのだ。