Vrai Amour ~駿の場合~
3.おかえり
病室に横たわっている奥様は、真っ青で私は生きた心地がしなかった。
必死に氷のような手を握り、ただ奥様が目を覚ましてくださることを祈る。
急性胃腸炎ということだったが、胃に穴が開き出血していたということで
緊急手術を受けていた。
「さっちゃん・・・」
思わず、零れ落ちてしまった。
何年も胸の奥底にしまいこんだ名前。
すると、ピクリと奥様の指先が動いた。
はっと顔をあげて、様子を伺うとゆっくりと奥様の瞼が持ち上がった。
「・・・駿・・・」
その声で、その名前を呼ばれたのもひさしぶりだった。
意識が戻って嬉しいのとごちゃ混ぜで涙がこみ上げてくる。
必死に氷のような手を握り、ただ奥様が目を覚ましてくださることを祈る。
急性胃腸炎ということだったが、胃に穴が開き出血していたということで
緊急手術を受けていた。
「さっちゃん・・・」
思わず、零れ落ちてしまった。
何年も胸の奥底にしまいこんだ名前。
すると、ピクリと奥様の指先が動いた。
はっと顔をあげて、様子を伺うとゆっくりと奥様の瞼が持ち上がった。
「・・・駿・・・」
その声で、その名前を呼ばれたのもひさしぶりだった。
意識が戻って嬉しいのとごちゃ混ぜで涙がこみ上げてくる。