Vrai Amour ~駿の場合~
それに加えて、帰国後は旦那様の決めた相手と結婚することが決まっていた。
執事の家に生まれた私にはどうにもできなかった。
一人娘のお嬢様をさらうなんてとてもできない。
私は一晩考えた末、やはり桐島家の執事として生涯お仕えし
この胸の想いは、一生誰にも話さないと心に誓った。
次の日の夜
明日はお嬢様が日本を発つ日
夜中11時過ぎに家の電話が鳴った。
こんな時間に誰だろう・・・
不思議に思いながらも通話ボタンを押した。