【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊦

「良かったわね。今柾樹君いなくて」


美菜はこっそりと耳打ちをしてきた。


柾樹はついさっき修平さんと校内を廻りに行った。



「えっ?」


「だって、あんな所見たらブチギレでしょ〜」


美菜は自分のスカートをぴらっと捲って言う。


……そうかも。


ブチギレ所か私の体が危ういかも…


この前の事を思い出し、1人赤面してしまった。



「何アンタ1人で赤面してんのよ?」


「……てか、悠士君どこ行ったの?さっきから見てないけど…」


さっきから悠士君の姿が見あたらない。


テンションの高い悠士君がクラスにいなかったらすぐに気づく。


「あぁ、悠士は1人クラスの宣伝しに行ってるわよ。あ、ほらあそこ」


美菜はそう言って窓の外を指差した。


…そこには1人で看板を持って猫の着ぐるみを着た人がいた。

…哀れ、悠士君…
私は心の中で彼にそう呟いた。


< 183 / 370 >

この作品をシェア

pagetop