【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊦
「良かったわね。今柾樹君いなくて」
美菜はこっそりと耳打ちをしてきた。
柾樹はついさっき修平さんと校内を廻りに行った。
「えっ?」
「だって、あんな所見たらブチギレでしょ〜」
美菜は自分のスカートをぴらっと捲って言う。
……そうかも。
ブチギレ所か私の体が危ういかも…
この前の事を思い出し、1人赤面してしまった。
「何アンタ1人で赤面してんのよ?」
「……てか、悠士君どこ行ったの?さっきから見てないけど…」
さっきから悠士君の姿が見あたらない。
テンションの高い悠士君がクラスにいなかったらすぐに気づく。
「あぁ、悠士は1人クラスの宣伝しに行ってるわよ。あ、ほらあそこ」
美菜はそう言って窓の外を指差した。
…そこには1人で看板を持って猫の着ぐるみを着た人がいた。
…哀れ、悠士君…
私は心の中で彼にそう呟いた。