【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊦
「人の女に手、出してんじゃねぇよ」
陸君が凄んでそう言うと、男の人は“すいません”とヘコヘコしながら去っていった。
初めて見る陸君の表情、言動にポカーンとしてしまう。
「彩、大丈夫?」
そう言った陸君はいつもの陸君なんだけど。
“ここら辺で一番評判悪いグループ”
一瞬美菜の言葉が頭を過ぎる。
「…あ、大丈夫。ありがと…
て、ゆーか何でここに…?」
陸君は先に居酒屋に行ったはず…
「え?普通に彩迎え来たんだけど」
「…え?」
「だって、居酒屋最近出来た所らしいから彩わかんねぇと思って。…ほら、行こ?」
にこっと笑って歩き出す陸君。
…やっぱり私はあの噂が嘘のように感じる。