【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊦
「ヤバい人達ねぇ…
ね、彩 人を殴るのには2つの理由があるんだよ」
「え?」
「意味なく殴る奴らと人を護るために殴る奴ら、どっちがひどい人間だと思う?」
そう言った陸君の表情は、暗くてよくわからない。
だけど、口調は穏やかに感じた。
「…まぁたとえ話。
意味なく殴る奴らがひどい人間なら藍達は後者なわけ」
…つまり人を護るために殴るって事…?
「ダチや、女を人質にされてそれを助けるため。でも生憎藍は言い訳なんてしない。信じる奴だけ信じろって奴なんだ」
陸君はそこまで話して、立ち止まっていた足を再び進め出した。
だから私も歩き出す。