【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊦
「なんで彩が謝るの?」
後ろを振り返って少しぎょっとして私の隣まで来る。
「…いや、噂をわざわざ確認なんかして………最低だよ」
「何言ってんの?さっき言ったじゃん。みんながみんな、彩みたいな奴だったら、良かったのにって。最低なんかじゃないでしょ」
陸君はそう言って頭をポンポン撫でてくれるけど…
「…でも……」
私は自分に嫌気がさす。
「あ~もうっ!今日は同窓会なんだから!
ほら、行くよ。この話しはお終いっ!」
頭にあった手を今度はほっぺにもってきて摘まれる。
しかも思い切り。
「…いひゃい!」
私は少し陸君を睨みながら言った。
「ほら、わかった?
じゃ、居酒屋行くよ~」
明るく笑って歩き出す陸君にはもう、この話しはするべきでないのだと感じて、口を閉ざした。