【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊦
騒がしかった座敷が一瞬シーンとなった後、またすぐに元の騒がしさに戻る。
「お前どこ行ってたんだよっ!」
陸君にそう言ったのは、クラスは違ったけど見覚えのある顔だった。
「彩、迎え行ってた」
ずいっと私を前に出した陸君に少し恥ずかしいなぁ…と感じる。
「あっ!平山さん!?」
陸君の友達の声があまりにも大きくて
「あーちゃん?」
私に気付いた人が私をそう呼ぶ。
高校では彩音って呼ばれるから中学で呼ばれ慣れたあだ名も、少し違和感があったりもした。
「久しぶり~」
空いていた席に座ると、少し離れた席に翼がいた。
翼はこっちに気付いて、にこっと笑みを浮かべたから、私も笑顔で手を降った。
なんだかついこの間までは、翼とこんな事出来る日が来るなんて考えられなかった。
…そこはやっぱりお兄ちゃんに感謝しなきゃと思いながら同窓会を楽しんだ。