【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊦
すぐさま目を逸らした。
心の中でヤバいと思ってももう遅い。
事は起きてしまった。
「………ずっと、そっちにいないでこっち来たら?」
少し間を空けて言った陸の声はやけに店に響いていた。
俺は無言。
美菜は額に手を当ててあちゃーって顔してるけど、悠士は酔ってるのか少しへらっとしていた。
「ま、彩寝ちゃってるけど介抱したい奴なんて、いっぱいいるんじゃね?」
陸は意味深にそう言って座敷に戻って行ったけど。
…介抱したい奴って
………お前じゃねぇの…?
そう思わずにはいられなかった。
バンっと勢いよく開けた扉の向こうは同窓会中で、中にいたみんなが一斉にこちらを見る。
いらぬ注目を浴びてしまった俺は視線が気になるが、とりあえず彩音の姿を探した。
…彩音は座敷の端で酔いつぶれて眠っていた。
その横には陸と………知らない男がいた。