【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊦
「彩音が酔いつぶれたって連絡もらったから早く帰ったけど…心配なかったな」
「…連絡?」
再度言った咲夜さんに彩音はその言葉に今気付いたのか、一瞬きょとんとした表情をみせた。
「…………翼から」
こちらを気にしながら、妙に間を空けて言った咲哉さん。
翼…
確か…彩音の元カレ………だったわよね?
「そっか。わざわざお兄ちゃんに連絡しなくても良かったのに〜……翼、元気だったよ」
彩音はあはは〜と笑った後にそう付け足した。
「知ってるよ。昨日バイトで会ったから」
彩音と咲哉さんの会話は悠士にはサッパリみたいで、一人ぽかーんとしていた。
まぁ、私も彩音から“翼”の存在を聞いてなかったら、全くわからなかったと思うけど…
彩音は昔、“翼”と辛い恋愛をしたみたいだけど、今みたいに笑って話せるようになって良かったと思う。