【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊦
柾樹side
風呂から上がり、用意された彩音の兄の服を着てからリビングに戻った。
しかし外観もすごかったけど中もすごいなこの家は。
風呂もでかかったし。
アイツがあんな広いマンションで1人暮らししてるのは、裕福だからだとは思っていたけど…ここまでとは…
ガチャ―
「お風呂ありがとうございました」
そう言ってリビングに入るとそこにいた全員が、一斉にこちらを見る。
しかも全員立っていた。
…?
風呂に行く前とは打って変わった空気が漂っている。
その原因は明らか。
さっきはいなかった人物。
彩音とつかみ合っている人物。
察するに彩音の兄貴だと思う。
「えぇ。じゃ次悠士君入ってらっしゃい」
凍てついた空気の中彩音の母親は至って普通だった。
悠士は彩音の母親に言われるがままに、“はいっ!”と元気よくリビングを出て行ってしまった。