【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊦
「柾樹…」
彩音はあちゃーって顔して俺を見た。
「…お前か?彩音を送ってくれたって奴は」
彩音の兄貴は俺を睨みつけている。
…なんなんだ。いきなり。
美菜は素知らぬフリしてソファーに座りやがったし。
彩音の母親はキッチンに行ってしまった。
「……そうですけど…」
彩音の兄貴とわかっている分、下手な事はできない。
「そうか、まぁ送ってくれた事は礼を言う。ありがとう」
…………睨まれたまま礼を言われても全然嬉しくねー…
「はぁ…」
「でも彩音と付き合う事を俺は認めたワケじゃない」
「ちょっとお兄ちゃん!?さっきからいい加減にしてよ!」
彩音は兄貴の服を引っ張り、いつになく強い言葉を吐く。
「今日だって柾樹は私が同窓会で酔いつぶれたから…………って、あれ?」