【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊦
「ごめんなさいね。咲哉ってばあなたに妬きもち妬いてるのよ。彩音を取られて」
ふふっと笑いながらさらりと怖い事をぬかした彩音の母親。
彩音ははぁ?って顔してたけど。
「母さん。それ、違うから」
彩音の兄貴はやれやれといった感じで否定したけど……妬きもち?
……兄妹で?
俺は妹はいるけど、所詮親が再婚してから生まれた異母兄弟。
悪いけど、俺に兄弟愛みたいなのはよくわからない。
「はいはい。まぁだから咲哉も悪気があるわけじゃないから、わかってあげてね?」
「そーゆーのは本人のいない所で話してってゆーの」
彩音の兄貴はぼそっとそう言ってリビングを出て行った。
「はい、ケーキどうぞ」
テーブルに置かれたケーキと紅茶。
「ありがとうございます」
お礼を言ってケーキに手を付ける。
「…味はどう?」
彩音の母親は何故かわくわくした顔で俺にケーキの感想を求めた。