【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊦
「そうそう。言っておかなきゃいけない事があるんだけど、今日柾樹君が彩音の同窓会に来たのは、私たちが無理矢理連れて来たからなの」
美菜はごめん、ごめんって言って謝った。
「………え?」
忘れ物届けに来たんじゃなくて?
「ほら、あの西高の人……陸だっけ?がどーしても気になって…様子見て帰るつもりだったんだけど、彩音酔いつぶれちゃって…」
……そこは何も言えない。
「彩音の事、心配でさ。柾樹君には止められたんだけど…ごめんね!…………怒った?」
ちょっと不安そうな顔で美菜は手を合わせて謝る。
「あ、うん。大丈夫。怒ってないよ」
口は悪いけど、いつも正直に話してくれる美菜が好き。
そんな事報告しなかったら気にもしなかったのに。
わざわざありがとう。
その日は夜遅くまで美菜と他愛もない話で盛り上がった。