【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊦
出た。
普段チャラけてるくせに見る所はしっかり見ている悠士。
「陸…ねぇ」
顎に手をかけ少し考える。
どうなんだろか?見掛けと噂とは違っては、いた。
だからと言って彩音を狙ってないとは言い切れない。
“ま、彩寝ちゃってるけど介抱したい奴なんていっぱいいるんじゃね?”
“ま、俺でよければ”
居酒屋で言った陸の言葉を思い出す。
「…………灰色?」
完璧黒じゃない。
かといって白と言えるほどじゃない。
もっとこう、確実にわかりやすいアクションがねーと断定なんてできねぇ。
俺の答えに目を見開いた悠士が“俺は黒”そう言い放った。
「他の女に対してがどうかは知んねぇけど彩音ちゃんに優しすぎじゃねぇ?」
「…………」
まぁ否定はしねぇけどな。
「それにアレだ。若い芽は早めに摘むのがいいってゆーし」
悠士は“ま、俺は傍観希望で”そう言ってニヤリと笑った。
言いたい事は言って傍観者とはいい度胸だな。悠士。