【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊦
「「……」」
私と美菜は今にも泣きそうな顔をした妃芽ちゃんを見ていた。
何も言えなくてただ、見ていた。
「…あの時は本当にごめんなさい。」
沈黙を破ったのは彼女。
妃芽ちゃんは私に深く頭を下げた。
…何を言えばいいのだろうか?
「こ…朝井さんから彩音さんは柾…榎並君の彼女だって聞いて!
私あの時酔っててっ…ごめんなさいっ!!」
妃芽ちゃんはそこまで言って再び頭を下げた。
「ちょっと!こっちはごめんなさいじゃ済まないのよ」
美菜は妃芽ちゃんにどんどん詰め寄って行く。
「…私…柾君と中学の時に付き合ってたけど…私の方がフラれました。ワケも教えてくれず一方的に…その後話たりできなくて…だから…この前再会した時…未練たらしくしちゃって…」
その迫力に少し怯えながらもぽつり、ぽつりと話す妃芽ちゃん。
「…も、いいよ」