【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊦


「はぁ」


「何?溜め息なんて吐いて。幸せ逃げるわよ?」


私の目の前で手をブンブン振りかざす美菜にハッとする。


えぇ?私今溜め息吐いた?



机の上に足を組んで座る美菜は、どこからどう見ても同い年に見えない。


スカートから見える長い足は、クラスの男子から注目を浴びてる事に気づいてないのか。


「…あー何?プレゼント?」


私が広げてた雑誌をひょいっと奪い取って見る美菜。


「…うん」


「うっわ。高いわねコレ。彩音コレ買うつもり?」


美菜が見てる雑誌のページにはブランドの新作が載っている。
そのひとつ、私が丸をした有名ブランドの財布を指差す美菜は目を丸くしてた。


「うん」


前一緒に買い物行った時に見てたし、欲しいのかなーって。


「だからアンタ最近あんなにバイトしてたんだ?」


「…そうだよ」


だってどうしても買いたかった。
ぶっちゃけ学生にはキツい金額だけど、柾樹喜んでくれるかなって。


生活費を自分で稼ぐ柾樹だから、欲しい物も我慢してるのかもしれない。


その分私が頑張りたかった。


< 274 / 370 >

この作品をシェア

pagetop