【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊦
「はぁ」
「何?溜め息なんて吐いて。幸せ逃げるわよ?」
私の目の前で手をブンブン振りかざす美菜にハッとする。
えぇ?私今溜め息吐いた?
机の上に足を組んで座る美菜は、どこからどう見ても同い年に見えない。
スカートから見える長い足は、クラスの男子から注目を浴びてる事に気づいてないのか。
「…あー何?プレゼント?」
私が広げてた雑誌をひょいっと奪い取って見る美菜。
「…うん」
「うっわ。高いわねコレ。彩音コレ買うつもり?」
美菜が見てる雑誌のページにはブランドの新作が載っている。
そのひとつ、私が丸をした有名ブランドの財布を指差す美菜は目を丸くしてた。
「うん」
前一緒に買い物行った時に見てたし、欲しいのかなーって。
「だからアンタ最近あんなにバイトしてたんだ?」
「…そうだよ」
だってどうしても買いたかった。
ぶっちゃけ学生にはキツい金額だけど、柾樹喜んでくれるかなって。
生活費を自分で稼ぐ柾樹だから、欲しい物も我慢してるのかもしれない。
その分私が頑張りたかった。