【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊦


「っくしょんっ!!」


柾樹と一緒に来たのは屋上。
授業中サボれる場所なんてここか、保健室しかない。


吹き荒れる風は冷たい。
コートを羽織ってて良かった。

「大丈夫?」


私は柾樹を見つめる。
繋いだ手は冷たい。


「あーさみぃ」


コートなんて着てない柾樹は寒そう。
しかも来る前にシャワー浴びちゃうもんだから、…湯冷めしそう。


髪も半乾き。


「…やっぱ教室行く?」


……風邪引いちゃうよ?


「いや、いー3限終わってから行く」


柾樹はもう戻る気はないらしく、この寒空の下地面に座り込んだ。


「こーしてたら暖かくなるだろ」


掴まれた手を引いた柾樹の足の間に収まった私。


これじゃ暖かいのは柾樹じゃなくて私の方。



雲に隠れてた太陽が姿を表して少しだけ暖かくなった。


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