【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊦

「…はぁ、もう。心配させないでちょうだい」


「私…?」


なんでここに…?
辺りにくるりと視線を這わせる。

多分っていうか絶対、ここは病院。
なんでこんな所にいるの私…


「アンタ倒れたってね?柾樹君が連絡してくれたわよ」


「…え?」


「インフルエンザだそうよ」


私の疑問に答えたお母さんは、はぁとため息を漏らして椅子に腰掛けた。


「あ…テス…ト」


「無理よ。あきらめなさい」


「えっ…でも…」


テスト受けれなかったら、冬休みがなくなる!
そんなのは嫌だ…


起き上がろうとしたら全然力が入らなくって、少しだけ起き上がった身体は再びベッドに逆戻りした。


「大丈夫よ。安心しなさい。インフルエンザの場合テスト受けなくてもちゃんと評価されるから」


「…?」


意味がわからない。
ハテナ顔を向けてただ黙っていた私にお母さんは教えてくれた。


インフルエンザは他人に感染するものだから、出席停止扱いになって、学校には行ったらダメになる事。


診断書を出せば、テスト受けれなくても前回のテストの点数から“この人なら今回これくらいとれただろう”という点数をくれると。


だから冬休みはなくならないんだ、と。


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